今回研ぐ包丁は、
新品のミソノ440牛刀の30センチ包丁です、
この包丁は、大きい包丁が欲しくて買ったのですが
当時、働いていた調理場がそんなに広くなく
よくよく考えてみたら、大きすぎて使いずらいと言う事が
購入後に判明したため、刃もつけづに
新品のまま、長年押し入れに放置されていた
かわいそうな包丁です。
大きい包丁のメリットは大きい肉の塊を
ズバッと切ったり
沢山の野菜を切る時など
まとめて、ズバッと切れて
仕事が早くなるのがよいですね、
「ギコギコ」はしません!ができる包丁です。
それと、包丁の刃の付け方は人それぞれ
好みがあるので、あくまで一例として参考にしてもらえれば幸いです。
シャプトン刃の黒幕1000番で研ぐ前の新品ミソノ440の刃の状態
新品の状態でも、刃付けはされているので
本来の切れ味では無いですが、そこそこ切れます
この、新品の状態の刃は鈍角につけられていて
切れる状態も長持ちしません。
おそらく、メーカーは刃が欠けないよう鈍角にしていると思われます。
本来もっと切れる包丁です。
なので、本当の切れ味を出すために
新品の包丁を研いで刃をつけていきます。
新品こそ、最高の状態と思われがちですが
料理人の人は割と、新品(例外はあります)はあんまり切れないって言うことを
知っている人は多いと思います。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_6097-768x1024.jpeg)
砥石は前回のグレステンの包丁に刃をつけた記事と同じものを使います。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/01/IMG_5624-225x300.jpeg)
上の写真を見てもらうと、
新品にははの部分にエッジがあるのがわかると思います
キラッと光っている部分です、
この部分を「しのぎ」といいます。
私の場合はこの部分を広げるため
もとからあるしのぎの部分を取っていきます
使用する砥石は、荒砥だと割とすぐ取れるのですが
研ぎ傷を取るのが大変なので、
今回は#1000番の砥石からはじめます。
注)砥石はあらかじめ、水につけておきましょう(5分〜10分)
包丁を研ぐ時に抵抗を減らして熱を持たせないためです。
包丁がちゃんと研げているとバリというものが
出てきます、バリが出ていると砥石に刃が
きちんと当たっているということです。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_6098-768x1024.jpeg)
ピンボケしていますが、
赤い矢印の先の白く光っているところが
バリになりましす。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_6099-768x1024.jpeg)
上の写真が#1000番の砥石で研ぎ終わったところです。
写真だと、わかりずらいですが
新品の時にあった「しのぎ」の部分が
削られているのがわかるかと思います。
#1000番の砥石はここまでです。
荒砥を使わないで、
ここまでを結構、短時間できるから
シャプトンの砥石は優秀です。
#1500番の砥石で研ぐ
#1500番で研ぐ目的は
研ぎ傷を消していく事と
バリを取り、より切れる刃を付けるためです。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_6101-683x1024.jpeg)
上の写真を見ると
包丁の刃の部分から
バリがはがれているのがわかると思います。
要は、古い刃が取れて
新しい刃が出てきているということです。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/04/IMG_6102-768x1024.jpeg)
上の写真が#1500番の砥石で研ぎ終わった状態です。
写真ではわかりずらいですが
バリが取れて、研ぎ傷も小さくなっています。
#1500はここまでです。
#5000番の仕上げ砥石で傷消しと刃の仕上げ
5000番の仕上げ砥石の役目は、
つけた刃を整える事と研いだ時にできる
研ぎ傷を消す事です。
下の写真が5000番で研いだ後の写真です。
刃の部分の傷がとれて
鏡面の様になっているのがわかると思います。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6111-768x1024.jpeg)
下の写真が一部拡大したものです。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6113-472x1024.jpeg)
#5000番の砥石はここまでです。
この段階で、よく切れる包丁になっています。
次に刃の黒幕#12000番の仕上げ砥石での仕上げ
12000番の砥石はかなり目の細かい砥石になります。
通常ここまでやる方は少ないと思います。
この砥石の役目は最終的な、刃を整える事と刃の表面を鏡面に仕上げていく事です。
下の写真が、12000番で研いだ後の写真です。
5000番と比べると、より鏡面になっているのがわかりますか?
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6114-768x1024.jpeg)
ちなみに、裏面はこんな感じです。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6115-768x1024.jpeg)
裏面は、あまり研いでいません。
整えるぐらいですかね。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6116-768x1024.jpeg)
上の写真で、新品の時より
刃の部分が広がっているのがわかると思います。
ここまでくると、次に研ぐ時にも
楽に刃がつけられます。
研ぎ傷は、ちょいちょい残っていますが
包丁として、切れる状態なのでこれで終了です。
#12000番で鏡面にしたミソノ440筋引き
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6120-472x1024.jpeg)
上の写真はスジ引き包丁で
この包丁は、ずーっと前に手に入れて
今では、ほとんど牛刀で代用してしまうので使われなくなり、
お家でお刺身を切るのに使っています。
スジ引きとは、名前そのままの役目で
肉の塊のスジを取ったりする包丁です。
幅が狭いので、刃抜けが良いのが特徴です、
さすがにここまで研ぐのは、やりすぎですね。
改めて、こうやってミソノの包丁をいじくると、
すごい丁寧に作られている良い包丁だなぁ
とつくづく思います。
ものづくりに良心がある。
研いだ包丁の切れ味を試す方法
まずは、テッシュや新聞紙を切ってみるのをオススメします。
なぜかというと、
やわらかい紙は切れる包丁じゃないと綺麗に切れないからです
刃が仕上がっていな部分は引っかかって
紙がクシャクシャになるから、
わかりやすいです。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6121-768x1024.jpeg)
上の写真みたいに、
試し切りしてみてください。
あとは、トマトとか切ってみると
わかりやすいと思います。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2023/05/IMG_6127-768x1024.jpeg)
切れる包丁は
ご覧の通りで、トマトを手でおさえなくても
うすーくスライスできるはずです。
以上が、新品のミソノ440の刃付けと仕上げでした
参考になれば幸いです。
ここまで、読んでいただき本当にありがとうございました。
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2021/06/981FB5D5-FC11-4EA9-BD93-77855B671B5E-225x300.jpeg)
![](https://shibahiro.com/wp-content/uploads/2021/06/2BCE70AF-1101-4286-A25C-424F282EC92F-225x300.jpeg)
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